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    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)

    2012/01/15 12:17|日本車-トヨタTB:0CM:2
    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_01トヨタスポーツ800
    TOYOTA SPORTS 800 - UP15型 - 1968年式)


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_02トヨタスポーツ800、通称「ヨタハチ」。
    このタマゴ型の非常にコンパクトな2シータークーペは、旧車の中でもかなり有名な車種ですが、オリジナルの状態がよく保たれたコンクールコンディションの1台を今回じっくりと取材させていただきましたので、ここに紹介します。



    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_03ヨタハチは、1965年から1969年までの間に3000台余りが生産された、トヨタの中では非常に少量生産のスポーツカーでした。
    当時トヨタの最高級スポーツカーだった2000GTに対して、パブリカのエンジンなどを流用して安価に乗れる大衆向けのスポーツカーとして作られたと云われています。実際に、当時の価格で60万円程でした(それでも1960年代の初任給を考えると十分に高価なクルマでした。)が、200万円を超える2000GTのことを考えると、かなり安価なスポーツカーだったことが判ります。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_04外観は、タマゴ型をしたとてもユニークで個性的な形をしています。どことなく2000GTに通じる面影を残してあるあたり、エクステリアデザインの妙と云えます。バンパーは、オーバーライダー型の小さなものが2個のみで、たまごの先端にヘッドライトが備わっているので、コンパクトなサイズでも非常に小さなノーズを実現しています。リトラクラブルにしなかったのはコスト面からの理由でしょうが、機能的にも理に叶ったデザインです。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_05真横から見ると、全体のタマゴ型がよく判ります。水滴のイメージかもしれません。ヨタハチは、樹脂製のタルガトップを標準で備えており、屋根の黒い部分が脱着式となっています。
    1980年代のミドシップカー、MR2(AW11型)のコンセプトに於いて、ヨタハチを参考にした部分が多いと聞きますが、この脱着式の屋根もMR2ではTバールーフとして復活していました。
    フロントウインカーやドアノブ周り、リヤクォーターピラーのエアアウトレットに至るまで、しっかりと丸いデザインで統一されています。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_06ここまで丸デザインで統一しながらも、テールランプを敢えて丸にしなかったのが媚びて無くて良いと思います。
    後姿に有効なアクセントになっています。

    スバル360だと、マツダ・ポーターキャブの丸型を後で付けているカスタムがありますが、ヨタハチではそのようなカスタムも見かけません。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_0760年代のスポーツカーらしく、ボンネットは逆アリゲーター型に開きます。
    エンジン熱を外に逃がす為の通気口が左右に着いています。また、ヒンジを外側に配置し、クロムめっきとしてあるあたりが、英国スポーツカーの革バンドのようにも見えて良い雰囲気を出しています。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_08丸いプレスの窪みから生えたドアノブ。とても上品な味わいがあります。
    生えている穴が四角でしかも少し斜めになっているのには何か理由があったのでしょうか。
    水平で無いところが、これも芸術的です。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_09トランクルームもしっかり備わっています。天地はそれほどありませんが、しっかりと荷物が積める広さは確保されていました。フードはアルミ製だそうで、とても軽かったのが印象的でした。
    元々は、ここまで大きくは開かないそうです(オーナー談)。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_10当時の純正ホイール。色といい、クロモドラ製のマグネシウムあたりを思わせますが、このホイールは、ヨタハチのオーナーズクラブが発注して製作したレプリカだそうです。ぴっかぴかでした。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_11エンジンは、このようにトランスアクスル(前輪の車軸)上に配置され、最適な重量配分を意識して搭載されているのが判ります。
    21世紀に流行の「クリアウインカー」は、1960年代にも流行したのでした。ちなみに純正です。


    おっと・・・向こうにレーシングホワイトのヨタハチのライバルが。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_12新車のように磨き上げられたエンジンルーム。
    パブリカ用エンジンの排気量拡大版で、2U型と云う空冷式水平対向型OHV2気筒を搭載し、組み合わせられるキャブレターは、各シリンダーに1個づつのツインキャブレターとなっています。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_1321世紀にトヨタは、スバルの技術を持つ水平対向型エンジンを搭載した「トヨタ86」が登場しますが、パブリカやヨタハチは、既に水平対抗型エンジンを採用していたのでした。

    これは何を撮るりたかったのかと云うと、綺麗にめっきされた純正エキゾーストシステムを見て感心したのでした。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_14このまま、小径ハンドルを着けたら「英国製軽量スポーツカーです。」と云っても通じそうなコックピットの眺め。
    全体的に品のある質実剛健さが伺えます。さらに、ミッションケースからダイレクトに生えた短いシフトノブがそそります。
    助手席ダッシュボード奥に見えるパイプは車体補強の為にあるのでしょうか。これもスポーツカーらしい装備です。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_15コンセプトが「庶民にも手が届く安価なスポーツカー」ですから、さすがに2000GTのようなヤマハの楽器用ローズウッドとは行きませんが、十分に上品な雰囲気を醸し出すめっきとアルミパネルが上手に使われたインストゥルメントパネル。
    各計器の文字盤の土台色がスーパーカブにも通じる青緑系なことに親近感を覚えました。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_16ヨタハチ専用の純正ステアリングのボスにはトヨタのTマークがあしらわれています。全生産台数が3000台そこそこな割に、ボスの種類が何種類もあるそうで、このデザインのものは非常に数が少ないのだと伺いました。確かに他では見たことがありませんでした。

    これを書いていて気づいたのですが、奥に見える温度計は何の温度なのでしょう。空冷なのに。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_17樹脂製のタルガトップの固定部分を見ます。脱着式の屋根にもちゃんと内張りが貼られていて、本当に安価なスポーツカーとは思えないくらいしっかりと各所を造ってあるのが印象的でした。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_18こちらは2つのシートバックの間に備わる小物入れ。オープンカーと云うこともあって、鍵もちゃんと掛けられるようになっています。

    確か、コスモスポーツもここに小物入れが着いていたと思います。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_19トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_20外から見ると、リヤクォーターピラーに丸い空気吐き出し口が着いていますが、中から見ると、ダミーではなくちゃんと内気を吐き出せるように、しかも閉めることも出来るようにフタがついていました。

    当時のニッポン、ものづくりに手抜きなし!


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_21こちらもヨタハチを創った人々の志が伺える一枚。
    シートの土台部分も軽量化の為に肉抜き穴が開けられていました。

    モータースポーツの世界で伝説となっている、ホンダS800との闘いを支えていたものは、このような見えないところにもあったと云うお話でした。

    ・・・トージロー!


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_22トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_23エンジンルームにある、トヨタ・スポーツ800の製造プレート。エンジンスペックは、こちらに書いてあります。
    最大出力45馬力を5,400回転で発生すると云う数値に驚きです。この数字で船橋サーキットでのあの伝説のレースを作り出したとは!


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_24【こぼれ話】
    この個体は、中兵庫クラシックカーフェスティバル2011の会場でオーナー様にお声を掛けさせて頂き、取材させていただきました。ありがとうございます。

    今回、総生産台数3000台ちょっとと聴いて驚いたのですが、わたしが生まれ育った実家から100mぐらいのところに在った中古車屋さんに、子供の頃10台ぐらい並んで居たので、当時は普通にたくさんあるクルマだと思っていたのでした。
    そのお店は、今はありませんが、スーパーカーブームの当時、ロータス・ヨーロッパやらポルシェ911そしてトヨタ2000GTも展示してあって、屋外でズラリと並んでいたのがこのヨタハチだったのでした。


    トヨタ・スポーツ800(UP15型 - 1968年式)_25当時、2000GTよりも愛嬌のある丸いデザインと、小学生には親しみやすい小さくて速そうなスポーツカーのヨタハチが好きでした。
    エンジンまで再現されたプラモデルを作って、長いこと大切に持っていた記憶があります。

    しかし、本物をじっくりと見ることが出来たのは今回が初めてで、細部まで本気で創られたクルマであることが判り、また感動もひとしおでした。
    真の名車と呼べるそして、ものづくり大国日本が世界に誇れる一台だと思いました。

    コメント
    ホンダS800と比較すると、メーカーの物造りの思想が違う両車でしたね。

    ホンダは高回転で走る、片やヨタハチは空力を生かして走ると。
    ヨタハチは、ドアの内貼りも無くて兎に角軽量化し、レースでも燃費で
    勝負と言うホンダとは違う方法でしたね。

    エンジンは、パブリカのパタパタ音で個人的にはホンダの方が
    好みでした。
    一日見てても飽きないでしょうね。
    大昔のオーナー #O9KHQnBM|2014/09/13(土) 22:44 [ 編集 ]
    大昔のオーナー様

    仰るとおりで、さすがは現役当時を知る方の表現です。
    「ホンダは高回転で走る、片やヨタハチは空力を生かして走る」
    二台の名車を表す名言ですね。

    トータルバランスのトヨタとエンジンのホンダと云う比較は、現在の電気仕掛けのクルマになっても共通する部分がありますね。

    パブリカの空冷800ccは、家の親父の憧れのエンジンでした。

    もしもオーナーになることがあったら、日本庭園の石庭の真ん中にぴかぴかに磨いたヨタハチを置いて、一日眺めてたら幸せだろうなぁと想像してしまいました。

    Nostalgia-Cars Webサイト管理者 Nostalgia1970
    Nostalgia1970 #WgvW/Y1g|2014/10/09(木) 19:37 [ 編集 ]
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