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    ホンダ・ボーカル (AF04型 - 1983年式)

    2012/10/17 16:03|日本車-ホンダTB:0CM:2
    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_01
    ホンダボーカル・スーパーデラックス
    (Honda Vocal Super Deluxe - AF04型 - 1983年式)


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_031998年を最後に、日本製の50cc規格2サイクル原付は、姿を消しました。
    と言っても、これは新車の話で、環境への関心から、排気ガス規制が50cc原付にまで及んだ事を意味します。

    今や50ccスクーターで4サイクルはあたりまえになりましたが、その15年前、ホンダは4サイクル50ccスクーターを普通に販売していました。
    その一つが「ホンダボーカル」です。





    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_04一見、何の変哲も無い80年代初期のホンダの原チャリの姿をしているボーカルです。

    しかし、心臓部には、空冷式4サイクル単気筒SOHC、4馬力のAF04E型エンジンを搭載しているのが特徴です。

    ホンダの4サイクル50ccスクーターとしては、スペイシー50(AF02型)に続く、2種目のモデルでした。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_05初代タクトにも通じる直線的なラインで描かれているのが、ボーカルの特徴です。
    当時の50ccスクーターは、21世紀の物と比べると格段にスリムで軽く作られています。
    ボーカルは、乾燥重量で45kgしかありません。車庫からの出し入れなど、軽くてホントに容易に扱えますし、特に年配の女性が初めて原付に乗る場合などに、とても適していました。
    この個体も、前オーナーは、80歳近くまでこのスクーターを日常に使っていたそうです。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_06後姿は、テールランプが初代タクト(AB04型)と共通ですが、ボディカウルなどはボーカルのオリジナルです。
    直線的なラインは、後に登場するタクトの4サイクル版「アイビー(IVY)」に継承されました。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_07この頃のホンダのスクーターのボディサイドには、ステッカーではなく、樹脂製の立派なバッジが奢られていました。
    「SUPER DLUXE(スーパーデラックス)」と、云う80年代初頭らしいグレードまで与えられています。
    50ccスクーター普及初期のホンダの自動車的な扱いのコンセプトが判ります。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_02こちらは、フロントフェンダー先端に取り付けられた「ECONO POWER(エコノパワー)」のバッジです。
    このエコノパワーと云う言葉が、当時のホンダ4サイクルスクーターに与えられた合言葉のようで、1997年の地球温暖化京都会議(COP3)より、ずっと前の話ですので、まだ「エコ=環境」と言うよりは、燃費が良くて経済的と云う意図が強かったようです。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_09ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_10

    ホイールは、まだ8インチが多かった時代ですが、ボーカルは10インチホイールを備えていました。
    サスペンションは、倒立式のテレスコピックのような形状で、まだリンク式ではありませんでした。
    HONDAのロゴが入ったハブのカバーが奢られており、随所に高級感も取り入れられていました。

    マフラー本体も、耐熱カバーがめっき加工されていて、サイドカバーにもスペーシー250フリーウエイのような樹脂製のモールが着いていました。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_11こちらは、左サイドから見たエンジン、駆動部分です。

    特徴としては、ここに普通にあるべきものが、ボーカルにはありません。
    それは、「キックペダル」です。
    1983年頃は、「ハイテク」と云う言葉が流行った時期でもあり、時代の象徴でもあるのですが、それまでの古臭い、アナログなイメージを捨て去る時代でもありました。
    そこで、古臭いキックペダル(=手動式)を廃して新しい時代の原付を前面に出したかったのかもしれません。
    その為に、このボーカルには、当時の標準よりやや大きめの「5L-B」と云うサイズの、しかも当時新しかったメンテナンスフリーのカルシウムバッテリーが与えられていました。

    しかし、それでも、この部分が結果的にボーカルの寿命を決定的に短くしてしまいました。
    キックペダルが無い=バッテリーでしかエンジンが掛けられない=バッテリーがあがると走らないのです。
    それに、新しい大き目のバッテリーは、またとても高価だったのでした。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_12ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_13
    大人しいデザインのボーカルの計器。
    スペーシー50が、液晶デジタルメーター装備だったのに比べると、とてもシンプルです。
    スペーシーが「近未来的」、「ハイテク」イメージだったのに対し、ボーカルは、4サイクルスクーターが「普通の原付」になることを目指していたのかもしれません。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_14ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_16

    タイヤサイズは、前後共に2.75-10 2PRと云うサイズで、初代タクトと共通サイズでした。
    エンジンオイルは、4サイクルなので定期交換が必要ですが、容量は交換時0.7Lと少ないので、1リットル缶1本でも余る程度の量で済みました。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_17燃料タンクは、当時としては大きい4Lタンク(当時は2.5Lぐらいが標準サイズ)を備えており、燃費の良い強制空冷4サイクル単気筒は、リッターあたり30kmは走りましたので、一回の満タンで120kmと云う長い足を持つことが出来ました。これが、ボーカルの最大のメリット(エコノパワー)だったようです。

    但し、メットイン機構が登場するのは、まだまだ先の時代ですので、荷物の為には前カゴやリヤキャリアなどを利用する必要がありました。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_15エンジン部分を見ると、SOHCエンジンは、ほぼ直立しており、長いインシュレーターを介して取り付けられたエアクリーナーボックスには、スポンジ型では無く、紙のフィルターが取り付けられていることが判ります。
    パワーフィルターのようでかっこよくもありますが、これは、普段はフタの中にあって見えません。

    キックペダルが着くべきところには、樹脂製のカバーが取り付けられており、中身はナットが見えるだけでしたので、あとからキックペダルを取り付けるのは、ほぼ不可能と思われる構造になっていました。


    ホンダ・ヴォーカル(AF04型 -1983年式)_20【ロード・インプレッション】
    この個体は、一時期わたしが所有していたものですので、ここで乗り味などを紹介しておきます。

    まず、エンジンを掛けて気づくのが驚くほど静かなエンジン音。21世紀の4サイクルスクーターに慣れていれば、同じようなものですが、80年代の原付と云う先入観で見ると、やはり4サイクルは相当静かなことが判ります。

    既に、30年近く経過した個体でしたが、前オーナーが、まめにオイル交換をはじめとしたメンテナンスをプロの手によって受けていたこともあって、タペット音やメタル音などの異音も皆無でした。


    ホンダ・ヴォーカル(AF04型 -1983年式)_21走り出しも、2サイクルとは明らかに違う、やさしく滑らかに加速を始めます。
    決して速くはありませんが、約30%勾配の急な坂道も、しっかりしたトルクで登りきることが出来ました。
    ちなみに、同程度の初代タクト(2スト)は、キャブなどの調整をいろいろ終えるまでは、この坂道の途中で速度を失ってしまっていました。

    加速は、滑らかに一定の感覚で加速していき、55km/h(メーター読み)ぐらいまでは、何ら問題なく出ました。
    音も、特にオーバーレブしているような領域にまでは回っていない感じがしました。

    そしてボーカルの良いところは、2スト系のそれとは違って、飛ばさなくても気持ちよく走れるところでした。
    全域にトルク感があるので、20km/hでも30km/hでも気持ちよく走れましたし、そこからの中間加速も、カタログで僅か4馬力とは思えないほど、頼れる走りで、ホントに普通に足として使えました。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_18この走りの特性は、とても実用的で、この後ホンダが陥った原付のパワー競争過渡期のスクーターが、完全に忘れていったものがここにはありました。

    最後に、実用で使った中では、やはりキックギアが無いのは致命的で、冬場などは特に、いつもバッテリーの調子を気にしていなければ心許ない感覚が付きまとい、遂に一度は40分程押して歩くと云う目に遭いました。

    それから、春先に見つけた極上コンディションの初代タクト(AB04型)に、バトンタッチを決断することに至るまでには、早々時間は掛からなかったのでした。


    ホンダ・ボーカル(AF04型 -1983年式)_19【こぼれ話】
    この個体は、前述の通り、わたしが持っていたものです。
    もう25年程、お世話になっているオートバイ屋さんに久しぶりに寄った際に、「前オーナーさんが、高齢で免許を返したと云う事で、このバイクを返しに来られた。」と云う逸話のもとに、置いてありました。
    もはや、さすがに30年近く経った、外観もヤレたスクーターを、店先で売れるような時代ではなく、まだまだ元気な個体だったので、わたしが仕事の足に引き取ることにしました。

    手放す時までエンジンその他は、ものすごく快調で、バッテリー以外はほんとにトラブル知らずでした。
    しかし、やっぱりキックレスのリスクには勝てませんでした。スクーターは、押しがけすら出来ないのですから。

    なんとかキックギアを組み込めないかと考えたり、いっそ60年代の旧車のように「クランク棒」でどうにかできないかなども考えましたが、構造上どうにもならない作りが判った時点で、フリマに売りに出した日に、同じ年代のタクトが手に入り、ボーカルは、新しいオーナーの手元に移りました。
    散々、キック無しのデメリットを説明した上に、会場で買った新品バッテリー込みで買っていただきましたが、「あぁ、どうにでもなるから大丈夫!」と云って下さる年配の新オーナーがとても頼もしく映ったのが印象的でした。

    (2台並んだ写真は、売れ行くボーカルと、買ったばかりの初代タクトとの最後の記念写真です。さらに古くても現役バリバリの友人の1978年型トヨタ・スタウトの前で。)

    コメント
    お久しぶりです。このボーカルを購入させていただいた者です。ボーカルのサイトを眺めてサーフしておりましたら偶然にたどり着きました。当時の事といっても3年程前ですか~、懐かしく思います。さて現在このボーカルは?、、、、安心してください、まだ現役で乗っております。ボデイカラーは趣味のF1カラーに変わっていますが、それ以外はそのままでよく走ってくれており燃費も大阪市内で35キロで満足しています。他にもポンコツばかり所有しとりますが、こいつは気持ちよく走ってくれます。やはりパーツの入手がやや困難ですが「どうにかやっとります」。あらためてお安く譲って頂きありがとうございました。後日画像をおくります。ではまた。
    774GTB-QV #-|2016/08/23(火) 00:39 [ 編集 ]
    ご無沙汰しております。
    ボーカル、今も乗っていただいてましたか!めっちゃうれしいです!
    F1カラーですか。見てみたいですね。市内で35km/L、さすが4スト原付です。
    調子よく維持してくださっているのが判ります。
    大切に乗っていただいているのでしたら、なによりです。
    ありがとうございます♪

    Nostalgia-Cars管理者 Nostalgia1970
    Nostalgia1970 #RgEEu5c2|2016/08/23(火) 20:59 [ 編集 ]
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