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    日産・パオ(PK10型 - 1989年)

    2013/05/19 14:14|日本車-日産TB:0CM:1
    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_01

    日産・パオ
    (NISSAN PAO - PK10型 - 1989年)
    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_02
    バブル経済全盛期の1980年代後半。日産は、「パイクカー」と云うジャンルを日本国内に提案し、第一弾として発売されたBe-1は、当時のファッションアイテムとして一世を風靡しました。

    そのBe-1の成功の後、パイクカーシリーズ第二弾として登場したのが、この日産パオです。
    当時は、Be-1同様に、新車の注文が殺到し、中古車市場で新車価格を大きく上回る価格で取引されていたこともあるクルマです。
    単なるレトロ風カーとは一線を画す、手抜きなしの日産の一台をご紹介します。


    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_03
    ノスタルジックな色合いと、雰囲気を満載した日産パオ。
    Be-1の大成功覚めやらぬ1989年に発売されました。
    ベース車は、Be-1と同じ「マッチのマーチはあなたの街にマッチする」のフレーズでおなじみとなった、初代日産マーチK10型。ベース車も、イタリアンカロッツェリア、ジウジアーロのデザインでしたが、PAOは、その内外装を完全に一新し、1960年代あたりのレトロな雰囲気で包まれていました。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_04
    この個体のボディカラーは、イメージカラーともなった「アクアグレー」。
    昭和40年代の360ccあたりを彷彿とさせる色合いです。
    1989年頃は、バンパーがボディと別体型から一体型に変わる時期でしたが、パオは敢えて別体型を採用しています。
    テールレンズも、当時既にあたり前になっていたコンビネーション型ではなく、ひとつひとつが独立した丸型デザイン。
    ホイールも敢えて、カバー無しのスチール製ですが、専用のクリーム色が与えられています。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_05
    特徴的なパオのフロントマスク。
    専用のPAOエンブレム、丸型ヘッドライトに大型の樹脂製グリルを備えています。
    ボンネットも、5本のスリットが入ります。

    しかし、レトロ風でありながら、Be-1と同様にクロムめっきを一切使わないこだわりも見せ、21世紀の軽カーを中心に見られるレトロ風デザインの祖となった感がありました。

    ちなみに、フロントフェンダーパネルは、Be-1と同様に樹脂で出来ています。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_06日産・パオ(PK10型 - 1989年)_07
    この丸型テールレンズ、実は凝りに凝ったものであったようで、通常は、下請けメーカーの小糸製作所の「Koyto」などの名前と、番号などが文字が小さく刻まれていますが、このレンズには、「NISSAN」の文字のみが刻まれており、製造識別番号などは着いていませんでした。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_08
    こちらは、パオのフロントガラス。
    ほんの僅かに曲面を描いていたように思いますが、ほぼ平面でした。
    1980年代の乗用車で、ここまで平面のフロントガラスを持つ国産乗用車は無かったと思います。
    ノスタルジックな雰囲気を演出するアイテムのひとつとなっています。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_09
    ボンネット以外のドアやハッチは、このように外側にヒンジが着いています。
    これもレトロ演出のひとつですが、パオはBe-1の「どことなくレトロ」からさらにレトロ度を進めたデザインコンセプトになっています。
    当時は、このコンセプトに対する批判もありましたが、現在では一貫したデザインとしてよくまとまっているように思えます。

    また、ヘッドライトやフロント、サイド、リヤの灯火レンズ類は、全て丸で統一されています。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_10
    パオは、2ドアハッチバックボディですが、リヤクォーターウインドウにも工夫が見られます。
    シトローエン2CVのフロントサイドウインドウのように、上下分割式のウインドウが採用されています。
    ただ、2CVのようにしっかり折りたためるまでは開かず、写真のようにほんの数センチだけ下側が開くだけです。
    当時、まだまだうるさかった運輸省が、ここまでしか許さなかったのかもしれません。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_11
    こちらが、ウインドウを閉じた状態。
    この部分も、外側にヒンジが装着されています。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_12
    リヤのグラスハッチも外側ヒンジです。
    ここにも専用のPAOエンブレムがステッカーで貼られています。これも純正標準装備です。

    グラスハッチのみが独立して開くのですが、それでもしっかりと両側にガス注入式ダンパーが奢られています。
    ガラスの開閉は、下の鍵穴ボタンで錠前が外れます。

    このパオも、1980年代後半に、日産がやたらと熱心だった、いわくつきの塗装「フッ素樹脂塗装」だったようです。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_13
    当時、知らなかったのですが、パオは、このようにガラスハッチの下が分割して開くようになっています。
    軽トラックやピックアップ風の開き方で、中々良く出来ていました。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_14
    こちらは、バックドアの閉め方を説明したステッカー。
    このような開き方は、当時の日本製乗用車では珍しかったこともあり、手順を示してあります。
    下側のドアを先に閉めないといけないようになっています。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_15
    ボンネットは、このように逆アリゲーター式に開きます。
    これは、ベースとなったK10型マーチもそうでした。
    1970年代のGTカーやスポーティーカーに多く見られたのですが、1980年代の乗用車では珍しいと思います。
    ベース車のデザインを手がけたジウジアーロの意向だったのでしょうか。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_16
    エンジンは、K10型マーチと同じ、MA10S型が搭載されています。パオには過給器などは着いていません。
    水冷式直列4気筒OHC 987cc 52psで、アルミブロックを採用し、当時はまだ、スチールブロック製が主流でしたので、このエンジンの69kgと云う重量は、当時のリッターカー(1,000ccクラス)で世界最軽量と云う触れ込みでした。

    アルミ製らしく、とても軽快で独特な排気音だった記憶があります。

    筆者は、K10型マーチのプロダクションレースカー(N1クラス)を所有していたことがありますが、降ろしたエンジン単体は、ひょいと、手で持ち上げて移動させることが出来ました。
    軽いので、エンジン整備の為の積み下ろしも非常に楽でした。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_17
    さて、室内に移りますが、ドアを開けると、樹脂製のトリムも敢えてボディと同色になっていました。
    そして、ドアハンドルなども専用の凝ったデザインが施されています。白のノブがとてもおしゃれです。
    そして、ここにも絶対にクロムめっきは使っていませんでした。

    これは、当時の日産車も含めて、必要かどうか別にして、とりあえずモールなどにめっきが配してあるものが多く、それに対する批判的な意見も出てきていた頃でしたので、それにたいするデザイナーの回答だったのかもしれません。

    いづれにしても、このパオやBe-1あたりから、「とりあえずめっき」と云う概念は薄れていったように思います。
    そういう意味でも、時代に風穴を開けたと云えるかもしれません。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_18
    まずは助手席ですが、シートは外品に張り替えてあるようです。
    エンジに白のパイピングが施されたシートはとても似合っています。
    本来の純正シートは、ホイールと同じく、クリーム色に近い白を基調にしたファブリック(織物)でした。
    形状は、K10型マーチのものをベースにしていたと思われます。
    屋根のルーフラック用?風?のレールは標準装備品です。

    パオには、ドラえもんがよく似合います。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_19
    こちらは、ドアに設けられた三角窓。
    昭和50年代前半ぐらいまでの乗用車には、大抵あたりまえに着いていた部分的なウインドウ開閉機構です。
    自由に角度を変えられ、当時の伝説の自動車番組「新車情報」の三本和彦氏が、いつもメーカーに復活を提案していた、今風に云うと「エコ」アイテムです。

    内外気の循環を上手に出来ますので、喫煙者にも重宝されていました。
    しかし、カーエアコンが標準化された昭和50年代後半から姿を消し、モデルチェンジしなかった車種(デボネアやセンチュリーなど)を除いては、モデルチェンジの度に廃止されていき、絶滅しました。

    しかし、レトロコンセプトのパオでは、一時的に復活していたようです。
    21世紀の自動車にも着ければ、5月頃の気候などではエアコンを点けなくても済むので燃費にも貢献しそうなアイテムです。

    ちなみに、ドアミラーの形状もとてもユニークです。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_20
    パオの運転席。
    白いハンドルがなんともいい味出しています。
    方向指示器やワイパースイッチのレバーまで専用のものが与えられています。

    パオは、期間限定の受注生産でしたから、景気のよかった時期だから出来た事かもしれません。
    最終的には5万台以上が売れたそうなので、元は取れたかもしれませんが。

    計器は、大型の速度計にコンビネーションされて、警告灯などが着いているシンプルなものです。
    速度計の横の純正トグルスイッチが、そそりました。

    インストゥルメントパネルも完全なパオ専用設計で、ボディと同色になっています。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_21
    こちらは、手前のシート調整レバーに注目。
    リッターカークラスでは珍しい、こまかな調整機構が着いていました。

    アンパンマンも似合うパオでした。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_22
    リヤシートもオリジナルの表皮ではありませんが、レトロは雰囲気満載です。
    この時代は、まだ後席に3点式ELRシートベルトは、殆ど着いていませんでした。ですのでパオも二点式です。

    注目は、サイドのトリムに埋め込まれたスピーカー。
    純正で、スピーカーまでボディ同色と云う凝り様です。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_23
    こちらが、運転席の眺め。
    この雰囲気で運転できるのだから、とても楽しいクルマです。
    左右のトグルスイッチは、左がハザードランプ用、右がリヤウインドウの熱線用でした。そのよこの丸はアクセントでしょうか。

    方向指示器のインジケータは、速度計の左右に小さいランプが付きますが、見ようによってはレーシングカーのようでもありました。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_24
    驚いたのは、エアコンコントロールはともかく、オーディオまでがパオ専用設計でした。

    まだ時代は4トラックカセットテープで、本当にレトロなカーステレオになってしまいましたが、ダイヤル式のラジオのチューニングがユニークなネオレトロ風デザインでした。

    これで「BOOWY」を聴いておられるオーナーさんもさすがです。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_25
    写真のテーマは、「80年代の過去と未来」。
    奥に見える原付は、1982年型のホンダ製3輪スクーター、「ホンダ・ストリーム」。
    宇宙的なデザインの「スリーター」と、パオのノスタルジックなデザインとのコラボです。

    【こぼれ話】
    この個体は、いつもお世話になっている方の愛車を取材させていただきました。
    ありがとうございます。

    パイクカーをじっくりと見せていただいたのは、これが初めてでした。
    当時わたしは中学生でしたが、批判的な自動車メディアの影響で、さほど興味を持たなかったものの、
    今回、見せていただいて、細部の灯火レンズやスイッチひとつに至るまで、凝りに凝った創りを見せていることに大変関心を持つことが出来ました。

    これ以降、軽自動車をはじめ、21世紀に入っても必ず「ネオレトロ」グレードは、カタログに載っており、影響かどうかは別にして、米国車などは、もうこの路線一直線と云う感じもします。

    1980年代、自動車が工業製品として、品質がひとつの到達点に達した余裕と、景気面での余裕から自ずと生まれた感のあるパイクカーシリーズ。
    その実体は、日産が本気で自由に創り込んだクルマであることが判りました。

    Be-1、パオの成功により始まりましたが、今や文化として定着した感があります。

    ひとつの時代の始まりを導いたパオは、今後益々ある意味での名車として語り継がれることと思います。

    日産・パオ(PK10型 - 1989年)_26
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