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    ホンダ・NS400R(HONDA NS400R - NC19型 - 1985年)

    2014/07/05 10:04|日本車-ホンダTB:0CM:3
    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 01ホンダ・NS400R
    (HONDA NS400R - NC19型 - 1985年)
    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 02
    ロスマンズカラーが懐かしい、ホンダのスーパースポーツをご紹介します。
    このNS400Rは、2ストローク式V型3気筒エンジンを搭載しており、当時、GP500世界選手権を席巻したグランプリレーサー、NS500と同じ基本レイアウトのエンジンを持つレーサーレプリカでした。

    ここでは、大変貴重な、コンクールコンディションのロスマンズカラーNS400Rをご紹介します。




    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 03
    ホンダは、当時、天才ライダーと称された19歳の米国人レーシングライダー、フレディ・スペンサー選手の手によって、1983年と1984年に、ロードレース世界選手権シリーズの最高峰、GP500クラスでメーカークラスの世界チャンピオンに輝きました。
    当時は、ロードレースの人気が絶頂期で、日本の3大メーカー、ホンダ、ヤマハ、スズキが世界を舞台にプライドを賭けて、凌ぎを削っていた黄金期でした。

    1985年4月に登場したNS400Rは、そのメーカー世界チャンピオンの肩書きをひっさげて、NS500グランプリレーサーのワークスカラーそのままに、エンジンも同一レイアウトの2ストロークV型3気筒を搭載した、当時垂涎の1台だったのでした。

    ちなみにV3エンジンのスペックは、当時の日本国内自主規制値でもあった59ps/8,500rpmの出力と、5.1kg-m/8000rpmのトルクを発生していました。
    この時代の国内自主規制値は、同一排気量の4ストロークエンジンも同一の出力値が設定されていましたので、2ストロークエンジンは、実際には、もっと出ていた可能性もあるように思います。
    当時、運転した感じでは、とても同一馬力とは思えないぐらいに、2ストローク車の加速の印象は強烈でした。

    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 04
    カラーリングは、ホンダワークスチームのイメージカラーである、トリコロール(赤、白、青)と、当時のメインスポンサーだったロスマンズ(Rothmans)タバコの白と青に赤と金のピンストライプが入ったカラーリングの2色が用意されていました。
    ロスマンズは、この時期、4輪レースでも世界耐久選手権のワークス・ポルシェ956/962Cの全盛期をスポンサードしていましたので、この時代のロスマンズカラーは、まさに「憧れのチャンピオンカラー」だったのでした。

    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 05
    日本の景気が絶頂期だった1980年代中盤の時代ですので、技術のホンダは、このNS400Rにあらゆる新しいテクノロージーを注ぎ込んでいました。
    V型3気筒エンジンには、摩擦軽減と熱に強い加工を施した「NSシリンダー」と呼ばれる燃焼室壁面の加工や、コンロッドのベアリングにも新技術を投入していました。

    前後ディスクブレーキ装備と云うのも、当時ではかなり贅沢な装備で、さらに前ブレーキは、ピストンが2つあるデュアルピストンキャリパーが標準で奢られて居ました。

    ホイールは、この時代のホンダが好んだ、前16インチ、後17インチで、星型のコムスターホイールと呼ばれる独特の構造を持ったアルミホイールが装着されていました。

    まだ1983年に解禁になったばかりのフルカウリングを前提に設計されたスタイリングは、とてもスマートで、正統派スーパースポーツバイクのお手本と云える感じがします。
    その後のレーサーレプリカのメートル測定器のようになったアイテムがいくつかあり、
    フルカウリング専用設計、アルミフレーム、前後ディスクブレーキ、アルミホイール、エアロタイプフロントフェンダー、ジュラルミン製バックステップ、セパレートハンドル、アルミ板で化粧を施したサイレンサー、などです。

    ただ、完全なレーサーレプリカバイクにしては、まだしっかりとした造りのダブルシートが装着されているのもNS400Rの特徴です。
    この後、NSR250R(MC16型)以降は、タンデムシートが1段高くなって、超薄型クッションになり、その後、終いにはクッションゴムをシートカウルに貼り付けただけの、いわゆる「ネコ座布団」シートがレーサーレプリカの標準となっていきます。

    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 06Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 07


    こちらも、当時のホンダお得意のテクノロジー、「TRAC(Torque Reactive Antidive Control)」。
    アンチノーズダイブ機構と呼ばれるこのアイテムは、テレスコピック式フロントサスペンションが、制動時に大きく沈み込み、前後加重の移動が大きくなるのを嫌って、あまり沈み込まないようにするための機構で、サスペンションの動きに独特の癖がありました。
    この乗り味は、人それぞれの好みがあったようで、わたしは、沈み込みの加減が掴み辛い為、あまり好い感じではありませんでした。

    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 08
    こちらも、ホンダ独自の仕掛けで、「ATAC(Auto controled Torque Amplification Chambar)」と云う、自動調整トルク増幅排気機構と云う2ストローク用の排気デバイスが装備されていました。
    これは、V型3気筒エンジンの前側の2個のシリンダーに装着された電気式回転センサーによって、排気容積をコントロールしてやろうと云う機能だったようです。
    要は、それまでの高回転型2ストローク車の弱点であった、低中速トルク不足を補うためのもので、これも、以降の2ストロークレーサーレプリカにいろいろな形で採用された排気補助機能のハシリになったものと思います。

    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 09
    アルミだらけの部分。
    アルミフレーム、アルミスイングアーム、アルミバックステップ、アルミサイレンサー(カバー)、アルミホイール等など。

    前後ステップには、まだしっかりとしたすべり止めのゴムが着いていますが、この後に登場するNSRシリーズ(250cc)からは、このゴムと云う快適装備も廃止され、レーサーレプリカは、益々本格レーシングマシンに近づいていきます。

    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 10
    ボディ右サイドに装着された、こちらのダイヤルは、リヤサスペンションのスプリングにイニシャルトルクを調整するものです。これは、あらかじめ、ばねを縮めておいてやることで、ばねの、特に動き始めの動きが滑らかになり、走行安定性が増すと云う為のものです。

    ステレオ型サスペンション(左右2本のリヤサスペンションがあるタイプ)には、専用工具でこのイニシャル調整をするものが、出回っていましたが、NS400Rは、真ん中に1本のスプリングが着いている為、日常的に調整することが難しいので、このような外から簡単に調整できるダイヤルが着いていると思われます。

    Honda NS400R (Honda NS500グランプリレーサー (NS500 - 1984年) Honda NS500グランプリレーサー (NS500 - 1984年)


    こちらが、NS400Rの代名詞、V型3気筒エンジンの排気管が強調された後姿。
    となりの写真が、NS500グランプリレーサーのもの。
    NS500グランプリレーサーは、後方排気式なので、かなり上の方にエキゾーストパイプが出ています。
    ちなみにNS500のもう一本の排気管は、スイングアームの下に独特の形状で着いています。

    NS400Rの方は、アルミサイレンサー風の加工が施されており、とても綺麗にまとまっています。
    当時、信号待ちで、この後ろに停まっていると、ここから水滴状のエンジンオイルのかたまりが、よく飛んできたものでした。
    それでも、バイク好きには堪らない垂涎のテールなのでした。
    「カランカラン」と云うような、独特の排気音が特徴で、3本のエキゾーストパイプから吐き出される白い煙も、すべてがかっこいいレーサーレプリカと云う印象でした。

    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 12
    運転席周りも、その後のレーサーレプリカたちに、強く影響を与えたレイアウトとなりました。
    レーサーのようにスポンジマウントされた風の計器類。赤い文字の計器類は、この時期のホンダ車の特徴的なものです。
    トップブリッジ側に、警告ランプなどが並んで着いているのがユニークです。
    そして、セパレートハンドル。但し、このNS400Rは、まだ、トップブリッジの上にハンドルが装着されています。
    その後は、レーサー同様にトップブリッジの下にハンドルがマウントされるようになります。
    ちなみに、ハンドルやトップブリッジの金色も当時の純正でした。

    Honda NS400R (NC19型 - 1985年) 13
    【こぼれ話】
    この個体は、友人がお世話になっているバイクショップで、販売されていた個体を取材させていただきました。
    ありがとうございます。

    この日は、ツーリングがてら、クラシックバイクのイベントに行ったのですが、そこで友人がこのバイク屋さんで、マニアックな車種が置いてあると云うので連れて行ってもらったのでした。

    わたしも嘗て、89年型スズキRGV-250γに乗っていましたので、レーサーレプリカの祖となったNS400Rをじっくり拝見し、レーサーレプリカの歴史を垣間見ることができました。

    まだ、ダブルシートやゴム付きのステップ、トップブリッジの上にあるハンドルなど、快適装備が残っていることに、ちょっとした感動がありました。
    その後、各メーカーは、レーサーレプリカブームに邁進し、ナンバープレートと保安部品を外しただけで、即サーキット走行可能と云うマシンで溢れる時代が来ますが、NS400Rは、まだ待ち乗りバイクとしてもしっかりとした装備を持っていたことが解りました。

    ただ、当時10代だったので、憧れの1台ではありましたが、400ccの2ストロークマシンを、街中で操れるライダーそのものにも憧れていた時代で、たとえお金があっても、腕に覚えが無ければ二の足を踏みそうな一台が、このNS400Rだったと記憶します。
    ですから、街で時折見かけるNS400Rとオーナーライダーには、羨望の眼差しが注がれていたのだと思います。
    実際に、NS400Rの綺麗な個体や750cc以上に乗っていた当時のライダーは、運転が上手でマナーも心得ている人が多かったように思います。

    今や、ロスマンズカラーも2ストロークも、世の中から絶滅させられたキーワードとなり、二度と復活することは無さそうですが、どちらも国を挙げてとやかく云う前に、本人が自覚すれば済むことなだけに、85年型NS400Rの時代を省みながら、今は、なんとも不自由な世の中になったものだと感じました。

    まだ自由だった時代に、メーカーも、総力を挙げて、性能の良い物を一生懸命創っていた頃の感性を今に伝える大変貴重な一台でした。

    この個体も、新しいオーナーさんの下で、いつまでもあのキラキラと輝かしかった時代を、今に伝えて欲しいと願うばかりです。

    取材協力:有限会社バイクメカサービス(丹波市)
    コメント
    「レーサーレプリカのメートル測定器」そうだそうだと、文面読んで膝を叩く数回。
    メーカー同士も大人げない程に熱く製品開発し、ユーザーもメーカーと一緒に楽しんでいたような時代でした。
    マシンだけ見ると、今や環境的にも、市場的にも、あり得ん、乗り物ですが、
    まだツーリングバイクとしてのテイストも残っている所発見するの、
    このサイトならでは。さすがですねえ。
    私、ロスマンズがタバコメーカーだったと知るのはずっとあとの事。
    タバコメーカーがレース会から消えて、これも時代とはいえ、なんだかなあです。
    B級パラダイス #z8Ev11P6|2014/07/07(月) 22:20 [ 編集 ]
    B級パラダイスさま

    いつも大変お世話になっております。Nostalgia1970です。
    早速のコメントありがとうございます!

    この時代、特にホンダははしゃぐの好きでしたね。
    シティもそうですし、モンキーはゴリラに飽き足らず、モンキーR、モンキーRTから遂にはモンキーBAJA、そしてNSR50、さらに、スペンサー人気で、ダートトラッカーを市販車で出すわ、スクーターはリトラクタブルヘッドライトだわ、やりたい放題でしたね。

    ヤマハも、CZ125Rトレイシーやら、YSR50やら、風間さんが極地に旅したTWやら、これに呼応するようにいろいろやってました。
    B級パラダイスさんが嘗て言ってたように、何も生み出さなかった時代だけに、無駄なものだらけの時代でもあったように思います。

    ロスマンズ、わたしも1983年のルマンのTV番組で知るまでは、謎でした。
    HB(ハーベー)も、JPSも、ゴロワーズも実はタバコだったんですよね。
    最近のレースゲームの実際の映像なんかも、セナのF3マシン動画で、マールボロのロゴが画像処理されて消えているのを見て、少し悲しくなりました。
    若きセナが、マカオで栄光を勝ち取った時のチームは、「萬寶路香港徳利賽車隊(マールボロ・セオドールレーシング・香港)」だったのですから。

    Nostalgia-Cars Webサイト管理者 Nostalgia1970
    Nostalgia1970 #WgvW/Y1g|2014/07/08(火) 22:46 [ 編集 ]
    お邪魔します。

    私はバイクに関してはまだまだ素人でして、とりあえずまずは・・・義兄のメイトで練習を始めようかと思う今日この頃。

    NS400Rがどんなバイクなのかは私もきちんとは理解できていないんですが・・・
    ただ、最近読んだ小説「アルバイト探偵(アイ)」シリーズにこのバイクが登場します。
    何やら怪しげな過去を持つ探偵冴木と高校生の息子隆が活躍するストーリーで、その隆がNS400Rを乗り回しています。

    この小説の作者は「新宿鮫」で有名な大沢在昌氏で、ハードボイルドだけどどことなくコミカルで軽快な印象の作品でした。

    ・・・と、バイクに関係ない話題になって申し訳ありません。
    乱文失礼いたしました。
    妄想大好き人間 #-|2015/08/20(木) 16:53 [ 編集 ]
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