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    アルファロメオ・75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)

    2015/04/27 18:20|輸入車-アルファロメオTB:0CM:0
    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)01
    アルファロメオ・75・ターボ・エヴォルツィオーネ
    (Alfa-Romeo Alfa 75 Turbo Evoluzione - 162B1E型 - イタリア車 - 1987年)
    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)02
     大変貴重なアルファロメオをご紹介します。
    1980年代後半の、ツーリングカーレース「グループA」の為に造られ、FIAの公認を得るために、僅か500台しか生産されなかった、アルファ75ターボ・エヴォルツィオーネです。
    筆者は、このマシンに生まれて初めてお目にかかりましたが、その世界的希少車がなんと2台同時に目の前に現れたのでした。
    ここでは、ドイツから輸入された1台と、フランスから輸入された1台を、同時にご紹介します。


    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)04
    アルファロメオ・75ターボ・エヴォルツィオーネは、1987年に盛んだった市販車をベースにしたツーリングカーレース、グループAの世界選手権(WTCC)に出場するため、500台だけ生産されました。
    ベースは、当時のアルファロメオの主力小型セダン、アルファ75ですが、レースでの勝利を得るために、あらゆるところに手が加えられた、「エボリューションモデル」として登場しました。
    外観は、大型のスポイラー一体型の前後バンパー、極太タイヤを装着するためのオーバーフェンダー、中身は1,762cc(ノーマルより若干スケールダウンされていたようです)にターボチャージャーを装着していました。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)03
    このボンネットのエアスクープは、元々は着いていなかったそうです。
    沢山のエアインテークが設けられたバンパースポイラーに、飾りではない本気のレース仕様が感じられます。
    足回りも当然チューンされており、車高はノーマルのアルファ75より、かなり低くなっています。

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    2台のエヴォルツィオーネの後姿。
    センターに近い場所から太目のエキゾーストパイプが斜めに覗いています。
    手前のマフラーは、社外品の流用だそうで、奥のクルマのマフラーがオリジナルだそうです。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)06
    わたしが、75ターボ・エヴォルツィオーネの一番気に入った角度がこのアングル。
    アルファ75の直線でまとめられたシャープな外観と、元々ウエストラインに太いモールを持つ独特のスタイリングが特徴ですが、さらにエヴォルツィオーネでは車体をぐるりと覆ったフェンダーやエアロパーツ類が見事に調和していると思います。
    ルーフラインにもエアロが装着されています。

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    斜め上からの外観も、とても一体感のあるよくまとめられたエアロパッケージが判ります。
    ボンネットのエアスクープ類は、この個体のオーナーさんが創られたものだそうで、あとでボンネットを開けていただくと、なるほどここにあるのが納得の行く創りでした。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)08
    こちらもオーナーさんがお創りになったと云う、カーボンファイバーがベースになっているグループAレーサー仕様のヴィタロニ製サイドミラー。
    視認性はともかく、このエアロパッケージにピッタリ過ぎて、云われなければエヴォルツィオーネに純正で着いていたミラーだと思っていました。

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    約20年以上の時を経ても綺麗に残っている奇跡のシール2枚。
    このヴィタロニミラーが化粧箱から出されたときに貼られていたまんまの紙製のシールがそのまま現存していました。

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    2台のエヴォルツィオーネには、それぞれ違うデザインのホイールが着いていました。
    イタリア車ゆえに、5本のボルトの間隔は、112mmと云う日本車とは違う特殊なピッチを持っており、ホイール選びは中々難しいそうです。
    上のシルバーは、レイズエンジニアリングのボルクレーシング(VolkRacing)、下の赤が、パナスポーツG7と云うホイールで、これらのホイールに装着されるタイヤサイズは、215/40ZR16 86Wと云う扁平仕様でした。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)11
    こちらは、リヤサスペンションを覗き込んでみました。
    赤いショックアブソーバーと別体のコイルスプリング、そして奥にはかなり太目のスタビライザーが見えます。
    さらに、その奥に見えるのがリヤブレーキディスクで、ホイール側ではなく、ドライブシャフトの付け根側に装着されているのでした。

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    ぎっしりと詰まった感のあるアルファ75ターボ・エヴォルツィオーネのエンジンルーム。
    エンジンは、基本設計が1960年代から続いていると云うアルファロメオの水冷直列4気筒ツインカムで、これにインジェクションとインタークーラー付のターボチャージャーが組み合わされ、155PS/5,800rpmの最大出力と、206N-m/3200rpmの最大トルクを発生するのだそうです。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)13
    こちらは、もう一台のエヴォルツィオーネのエンジンですが、よく見比べてみると微妙にオーナーの手の入れ方の違いが判ります。こちらは、軽量のドライバッテリーを搭載していました。
    アルファ75は、鼻先にバッテリーが着くので、マイナス数キロのバッテリーの軽量化がハンドリングに与える影響は相当大きいと思われます。
    2台とも形状は違いますが、エアクリーナーは、パワーフィルターに交換されていました。

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    注目はブレーキマスターシリンダーの前に備え付けられた遮熱板です。
    この板下にあるのは、なんとターボチャージャーそのもので、ブレーキオイルとこんなに近いところにエンジンルームで一番熱くなる機械が着いているのですから、これは必須の装備と云えるでしょう。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)15
    こちらは、ボンネットの裏側ですが、樹脂製に換装されてありました。
    未だ、カーボンファイバーの時代ではなくFRP製のようですが、外見からはそれと気が付かないぐらいにひづみの少ない質の高いFRPボンネットでした。

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    2台の製造プレートを見比べます。
    残念ながら車体番号はお見せで来ませんが、2台の間には約100番ぐらいの違いがあり、どちらも500台のうちの中盤ごろの個体でした。
    162B1Eと云うのが車両形式だそうで、06158と云うのがエンジン形式のようです。

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    ドアを開けてもサルーンカーレーサーの雰囲気満点です。
    SabeltのフルレーシングハーネスベルトがDTMカーのような雰囲気を醸し出していました。
    むしろ、ここにロールバーが入っていないのが不思議なぐらいの感じでした。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)18
    ケブラー系の炭素繊維製と思われるレカロのレーシングバケットシートが装着されていました。
    ノーマルシートと比べると10kg以上の軽量化だそうで、お値段はびっくりするような高級品でした。
    レーシーなステアリングも、LONZAのホーンボタンが最もよく似合う一台のように思えました。

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    こちらは、もう一台のコックピット。
    赤のレカロ製バケットシートとモモ・ベローチェレーシング(ステアリング)の組み合わせ。これもかなり王道の組み合わせが似合います。
    アルミ削りだしのシフトノブも着いていました。

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    メーターパネルがとってもイタリアンスポーツで、さらに追加のメーターが取り付けられ、よこにはEVCも装着されていました。
    ちなみに、ブースト圧は0.7kg/cm^2ぐらいだと云うことでした。
    これは当時の市販車としてはかなり高い方で、1983年の時点で量産車過給圧世界一だったホンダ・シティ・ターボ2が、0.75kg/cm^2だったのですが、これはスクランブルブースト時(10秒程の間だけ)だったのでした。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)21
    さて、ひじ掛けの前に突き出ている大きな四角い輪は何でしょう?
    これ、サイドブレーキレーバーだそうです。
    なぜ、このような形状なのかは不明ですが、これがアルファ75シリーズの標準的なレバー形状だったようです。

    アルファ75・ターボ・エヴォルツィオーネ(162B1E型 - イタリア車 - 1987年)22
    天井に取り付けられたスイッチは、真ん中は室内灯ですが、左右2つづつはなんと、パワーウインドウのスイッチだそうで、窓を開けるのに天井に手を伸ばすと云う、こちらもなんともユニークなイタリア車らしいものでした。

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    こちらは、2台が過去に参加したアルファロメオのイベントステッカーやお店のステッカーでした。
    その道のマニアの方が見ると知る人ぞ知るステッカーなのだそうなので、ここにまとめて掲載させていただきました。

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    筆者が10年以上通う馴染みの店、滋賀県高島市朽木の「LOFT CAFE」さんに現れた2台の怪鳥。
    「75 TURBO EVOLUZIONE」のグラデーションステッカーは、異様なオーラを放っていました。

    このエヴォルツィオーネは、1987年のグループA世界選手権のほか、DTM(ドイツツーリングカー選手権)でも活躍したそうで、そのステアリングを握る面々も蒼々たるレジェンドドライバーたちでした。
    ・二コラ・ラリーニ((Nicola Larini)
    ・アレッサンドロ・ナニーニ(Alessandro Nanini)
    ・ガブリエーレ・タルキーニ(Gabriele Tarquini)
    ・ジャック・ラフィット(Jacques Laffite)
    ・マイケル・アンドレッティ(Mario Andretti)
    ・ジャン・ルイ・シュレッサー(Jean Louis Schlesser)
    F1やインディカー経験者、そしてパリ・ダカールラリーの覇者と云うものすごい顔ぶれです。
    この他にも、
    ・1985年ETCチャンピオンのジャン・フランコ・ブラカテリ(Gianfranco Brancatelli)や、F1の重鎮リカルド・パトレーゼなどもドライブしたと云われています。

    しかし、エヴォリューションモデルが過渡期の時代にあって、アルファロメオ社は倒産の憂き目に遭う頃でもあり、エッゲンバーガー(Eggenberger Mortersport)のフォード・シエラコスワース・RS500やシュニッツアー(Schnitzer)のBMW・M3に中々勝つことが難しかったそうです。

    それでも、熱きイタリアンのモータースポーツレジェンドとして、アルファ75ターボ・エヴォルツィオーネは、輝きを放ち続けていました。

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    【こぼれ話】
    この個体は、滋賀県高島市朽木市場にある「LOFT CAFE」さんに起こしになったオーナーさんに、取材させていただきました。ありがとうございます。

    この日、車検切れ間近のスズキ・アルト営業バン(マニュアル4速車)で、のんびりとロフト・カフェさんに向かっていたR367で、後ろからやたらと低い車体のアルファが近づいて来たのでした。
    道を譲ると、あっというまに先に行ってしまったのですが、そのエキゾーストノートは、ちょっと普通のクルマではない音がしていました。
    そして、30分ほど走って、お店に着いてみると、なんとさっきのアルファが停まっていました。しかも、そのときは2台に増えていたのです。
    最初は、ちょっといじってあるアルファなのかな?と思ったのですが、サイドストライプの「75 Turbo EVORUZIONE」のステッカーに、この2台のアルファが只者ではないことに気が付きました。
    アルファ75の時代(1980年代後半)に、「エヴォルツィオーネ」と名が着くのは、大抵FIAのホモロゲーション取得用の限定生産車であることが殆どだったからです。

    それから、お店で真っ赤なアルファがピッタリの熱きアルファ乗りのお2人のオーナーさんに、当時のレースのことやアルファロメオのことなど、2時間ばかり楽しいお話を聴かせて頂きました。
    クルマと音楽には大概マニアックなロフト・カフェの店主も多少引くほど、オタク話が盛り上がったのでした。

    そして、春の足音が聞こえてきた3月中旬、2台の赤い怪鳥は、アルファツインカムの野太いサウンドを残して、再びルート367に飛び立って行ったのでした。
    楽しかった~!
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