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    富士自動車・フジキャビン(5A型-1955年)

    2010/09/10 12:00|日本車 その他TB:0CM:5
    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_01
    富士自動車・フジキャビン
    (5A型-1957年)

    とても希少なオート三輪、フジキャビン。
    富士自動車と云う、メーカーが、85台程製作したが、その全ては世に送り出されていない。
    一説には、世に出たのは60台あまりとも云われている。

    この貴重で、とてもユニークな一つ目の三輪を間近で取材する機会に恵まれたのでご紹介する。




    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_02
    しばらくガレージに眠っている状態なので、ホコリだらけなのはお許し願いたい。
    イタリアの国旗カラーに塗り別けられたフジキャビン。
    ご覧のように一つ目小僧のような愛らしい顔つきが特徴である。
    全体の形は「たまご型」と云うのがピッタリだろう。
    オートバイのパーツを流用したということで、前2輪、後ろ1輪のスリーホイラーだ。




    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_03
    あんぐり開けた口の中には、ハーネスとホーンが見える。
    ヒビ割れからわかるように、ボディワークはFRP製であるが、これ自体がフレームとなるフルモノコックだそうだ。

    ちなみに富士自動車と云う会社は、現スバル(富士重工)とは無関係のメーカーです。
    現在は、重機で有名なコマツ系の会社になっているそうだ。





    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)04
    タマゴ型のボディに、オートバイ用の部品をぶっ挿したようなフェンダーミラーと方向指示器。

    【スペック】
    製造元:富士自動車株式会社
    エンジン:空冷式 2サイクル単気筒 121cc
    最大出力:5.5馬力/4,400rpm
    変速機:3段マニュアル
    始動方式:キック式
    駆動方式:RR
    フレーム:FRP製モノコック
    車両重量:130kg
    乗車定員:2名
    生産台数:85台

    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_13
    フロントサスペンションは、ストラット式のようだ。
    ホイールは、併せタイプだろうか(併せタイプ=ドラムブレーキの外枠にリムホイールをネジ止めする)。
    キャスター角が、ほとんどついていないように見えるのだが。







    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_05
    右側のドア。窓ガラスは、引き戸式のアクリル製である。
    2000年代のクルマのようなプレスドアのような形状をしている。

    もし、現在の技術でこれをモデファイして創ったらきっと空力にも優れたエコカーになるのではないだろうか。






    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_06
    虫の甲羅のような造形のリヤまわり。
    左右のメンテナンスカバーは、羽虫のように上に開く。
    燃料用のフィラーキャップが見える。








    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_07
    運転席。まるで大昔のSFに出てくる潜水艇のようだ。
    半円形のステアリング、単眼メーター。その横になぜか大きく飛び出しているイグニッションスイッチ。
    右ハンドルだが、変速レバーは右に着いている。

    このステアリングやシフトレバーのレイアウト、1980年代以降のレーシングマシンにも通用するから面白い。
    ちなみに2名乗車だ。

    手前の窓際にある白いのは、ワイパースイッチ(ワイパーモーターの裏側にすぐスイッチがある)。

    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_08
    運転席のもう少し足元を見てみよう。
    アクセル、ブレーキ、クラッチは、いずれもオルガン式で床から生えている。
    センターに大きなトンネルがあるが、フジキャビンはRRなので、これはミッションやシャフトのトンネルではなく、FRPモノコックの強度を上げるためのフレームワークである。
    ちなみに、フロントのあんぐり開けた口から繋がっているらしい。






    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_09
    こちらが、後ろに搭載された空冷単気筒121cc 2サイクルエンジン。
    ここだけ見ると、オートバイの流用であることがよく判る。
    当時メーカーは、「キャビンスクーター」と呼んでいたようで、雨風凌げるオートバイと云ったところだろうか。
    完全に周りを囲まれた中に搭載されるが、ファンやエア導入のカバーが着いた強制空冷ではなく、普通の空冷エンジンのようだ。





    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_10
    リヤサスペンション。
    スイングアームとコイルスプリング式だが、なんとスプリングはステレオではなく、一本だ。
    エンジンも耕運機のように簡単な構造に見えるので、メンテナンスは容易かもしれない。





    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_11
    こちらは、リヤサスの上あたりにマウントされた円筒状のガソリンタンク。
    1950年代だから、恐らく混合給油だったのではないだろうか。
    エンジンの真上に搭載することで、燃料の重みでキャブレターに燃料を送る、いわゆる「落下式」である。
    (現在の自動車は、燃料ポンプと云うモーターで、エンジンに燃料を送っている。オートバイは、今もこの落下式が主流だ。)





    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_12
    本来、このサイトで、博物館の展示物を撮った写真は、あまり使いたくないのだが、フジキャビンのユニークな形をした全体像が判りづらいので、愛知県の「トヨタ博物館」に展示されていた、レストア済みフジキャビンの写真を掲載しておく。
    タマゴ型のボディ、一つライトのFRPモノコックボディのユニークな造形をお楽しみください。





    富士自動車・フジキャビン(5A型-1957年)_14
    【こぼれ話】
    10代の頃だったか、なにかの本で、フジキャビンと云う乗り物を知った。
    日本の自動車黎明期でありながら、斬新でユニークなコンセプトを持つことに惚れ込み、その後大人になってから、日本自動車博物館(石川県)へ見に行ったことがある。

    そして、ほどなくしてネオヒストリックカークラブの友人が、「フジキャビンがあったよ!」と云うので、旅がてら一緒に拝見に伺った次第である。

    オーナーさんは、ご年配の方でしたが、丁寧に名刺までくださり、フジキャビンの資料やら、この個体のお話をじっくりと聴かせてくださいました。

    このときは、ガレージでホコリまみれになっていましたが、とても大切に持っておられるようで、ガレージもこのフジキャビンのために建てられたそうです。

    FRPモノコックと云う、当時、世界でも革新的なアイデアと徹底したコストダウン設計で、庶民の足として世に送り出されたフジキャビン。商業的には売れなかったそうだが、当時の日本の技術者が創り上げた画期的な一台であり、今もその魅力を失っていないことには疑う余地も無い。

    巨大なエコカーを名乗るクルマが走り回る昨今、このフジキャビンのようなコンセプトも必要ではなかろうか。

    コメント
    フジキャビン、いいですねぇ・・・
    私はGFEP製造業なので、この車体を型取りして複製を作りたいですよ。
    仁葉工芸 #55s2QoL6|2011/11/10(木) 01:10 [ 編集 ]
    仁葉工芸さま

    はじめまして。Nostalgia-Cars 制作者のNostalgia1970です。
    当Webサイトをご覧頂き、コメントも頂きましてありがとうございます。

    フジキャビン、この時代のクラシックカーオーナーさんなら大抵ご存知の幻の名車なのですが、世界中に複製が存在するメッサーシュミットと違い、不思議と複製の話を聞いた事がありません。
    もはやメーカーが存在しないので難しいでしょうし、現存数も博物館のものを含めて大変少ないと聞いています。
    ですので是非挑戦されることを望みます。

    このサイトの趣旨でオーナーさんの所在地など、情報はお教えできないのですが、
    どこかのクラシックカーイベントに出向いて、同年代車のオーナーさんに聞きまわってみたら案外個体情報が見つかるかもしれません。
    わたしも昔に旧車繋がりの方からご紹介いただきましたし。

    こちら"GFEP"と云うものを知らなくて^^;)、お名前が会社っぽかったのでWeb検索させていただいたら、赤い乗用ロボットみたいなのがあちこちのサイトに出てきたのですが、もしやこれをお創りになられた方でしょうか?
    Nostalgia1970 #HsmQRNbc|2011/11/10(木) 12:25 [ 編集 ]
    妄想を具現化しては、途方に暮れる日々を過ごす
    謎のおじさん 仁葉工芸 です、
    このような散文にレス頂き感激致します

    フジキャビンという奇っ怪な名車を、日本在住者として創られずにいられようか!
    という気負いでいるのですが、なかなか現実面が追い付いてこない現状・・・
    現在ならば50cc・1人乗りの原付ミニカー規格にダウンサイズして乗り回してみたいモンです、

    あのマシーンも、その為の習作みたいなモノなのですが・・・
    早く動けよこの我が身。
    仁葉工芸 #7Sx6jsEE|2012/04/20(金) 02:58 [ 編集 ]
    仁葉工芸さま

    コメントありがとうございます。Nostalgia-Cars管理者 Nostalgia1970です。

    フジキャビン計画、それはそれは大変な作業になるんでしょうね。

    何の根拠も無いのですが、実車の採寸など、取材が必要でしたら、実車を持っている博物館に直接聞いてみる手があるかもしれません。
    わたしが知る限りでは、石川県小松市の日本自動車博物館に1台あります。
    初代館長が既に故人となっていますが、ここの博物館の趣旨からすると、面白がってくれそうな気がします。確実な根拠は何も無いのですが。
    愛知県のトヨタ博物館にもありますが、ただ、こういう大企業と云うところは敷居が高い場合が多いので、こちらはあまりお薦めできませんが。
    また、実車は無かったと思いますが、広島県福山市の福山自動車時計博物館も問い合わせてみる価値ありかと思います。こちらの館長さんも、あちこちから珍しいのを集めてきてレストアされたり、それを展示しても宝石扱いするのではなく、観に来た人に自由に触ったり乗ったりさせてくださっていますから、こちらも聞いてみられたらちゃんと対応してくれる可能性もあると思います。

    あとは、かなりユニークな作品創っておられるだけに、関西のテレビ番組、「探偵ナイトスクープ」取り上げてもらって、間接的に依頼する手もあるとおもいます(半分本気です)。

    レプリカ製作、応援してます。
    Nostalgia1970 #HsmQRNbc|2012/04/20(金) 08:57 [ 編集 ]
    仁葉工芸さま

    本日、このコメント欄を見た方が、こちらにフジキャビンの件で、「もしかしたら、多少協力できるかもしれない。」と云う事で、こちらに連絡方法を聞いて来られた方がおられます。

    また書き込みいただけると幸いです。
    (連絡先を公開したくない場合などは、非公開書き込みいただけると取り次ぎます。)

    尚、ご連絡いただいた方、ありがとうございます。

    Nostalgia-Cars Webサイト管理者 Nostalgia1970

    Nostalgia1970 #HsmQRNbc|2012/04/26(木) 10:27 [ 編集 ]
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