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    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)

    2010/12/04 20:38|日本車-マツダTB:0CM:2
    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_01マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_02

    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_03マツダR360クーペ "トルクドライブ"
    (MAZDA R360COUPE - KRBC型 - 1964年式)

    1964年のにっぽん・・・新幹線開通、東京オリンピック開催、名神高速道路開通、などなど、日本が高度経済成長で躍進する象徴とも云える出来事が目白押しだった年に、この個体は生まれました。
    マツダR360クーペ。現マツダ(東洋工業)が、1960年に4輪自動車の生産を開始した最初のモデルでした。
    ここでは、トルクドライブ(TORQDRIVE)と云う変速機を装備した、1964年型をご紹介します。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_04トランジスタな宇宙船を思わせる愛らしいスタイルが、R360クーペの特徴です。
    目じりが垂れて、ふっくらした顔つき、ぴょこんとしたキャビン、それでいてちょっぴりテールフィンが付いたおしり、などなど、とても愛らしいデザインです。

    1980年代に流行したマンガ「Drスランプ」の作中では、宇宙人のガッちゃんにかじられる自動車でした。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_05後ろ姿も前と同じく、丸っこいデザインが特徴です。この時代の日本車にしては珍しかったカーブガラスが採用されていますが、これはガラスではなく、アクリル製です。

    国産クーペのハシリにもなった自動車だけあって、とてもスタイリッシュで、日本の高速道路時代にマッチしたコンセプトとなっています。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_06少し変わったアングルからですが、ふくよかな顔つきが強調されています。バンパーの下も、丸みを帯びたものとなっています。

    この個体は、オーナーさん自身の手で、ほぼホワイトボディ状態からレストアをされたそうで、エンジンとトランスミッションを冷却するオイルクーラーが新たに装備されておりました。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_10マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_07
    とてもユニークな形をした後ろのエンジンフードに取り付けられたナンバー灯。
    どこか、昭和の掃除機の部品を思い起こさせました。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_08逆アリゲーター式に開くボンネットも、クーペの名に相応しい?
    ボンネットフードを開けると、燃料タンクとスペアタイヤと若干の荷物が積めるようになっていました。ホワイトリボンタイヤが懐かしい!

    燃料タンクは、なんと16リッター程度しか入らないそうです。
    しかも、ボンネットを開けないと給油口がありません。スタイリッシュではあるのですが。

    パンタグラフ式ジャッキが搭載されておりますが、ジャッキ棒の方は、わけあって後ろのエンジンルームに搭載されています。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_09こちらが燃料タンクキャップ。コルク状の棒が付いており、これが燃料ゲージです。ですから運転席に燃料計はありません。
    利点は、電気仕掛けなどが無いので、半世紀以上経っても壊れないところでしょうか。

    コルク状の材質なところが、東洋コルク工業に端を発するマツダらしい!?


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_11【スペック】
    車両型式:KRBC型 (64-KRBC = 1964年式のKRBC型の意)
    エンジン:BC型 空冷式4サイクル 90度V型2気筒 OHV 356cc
    内径×工程:60×63
    圧縮比:8.0
    最大出力:16ps/5,300rpm
    最大トルク:2.2kgm/4,000rpm
    潤滑方式:ドライサンプ式
    冷却方式:強制空冷式
    乗車定員:4名(後席は小人用)
    変速機:フロア式 2速マニュアル or オートマチック式(3要素1段式トルクドライブ
    車両重量:400kg(前:165kg 後ろ:235kg)-空車時
    制動装置:4輪ドラム式
    サスペンション:4輪独立懸架式
    最小回転半径:4m
    全長×全幅×全高:2,980mm×1,290mm×1,290mm


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_27【整備データ】
    弁間隙:0.15mm(温間時)
    点火時期:上支点前10度
    点火順序:1-2
    点火プラグ:NGK B-6H(当時の純正)
    プラグの隙間:0.7mm
    オイル容量:2.8L(公称)
    配電気ポイント間隙間:0.45mm
    気化器(キャブレター):日立 DCA 264-1A
    オイルバス式エアクリーナー油量:220cc
    蓄電池:12V~26AH(20H.R)


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_28
    トルクコンバータ油量:3.8L(公称)
    トーイン:2~3mm
    タイヤサイズ:前/ 4.80-10-2P(空気圧:0.8kg/cm2) 後/ 4.80-10-2P(空気圧:1.4kg/cm2)

    今回は、オーナー様に、詳しい資料(R360クーペ「運転のてびき」)を見せて頂きましたので、整備データも掲載しておきました。オーナー様、ありがとうございます。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_12ポルシェかVWのよう・・・いや、RX-7のロータリーにも通じるいでたちの空冷V型2気筒エンジン。
    Vツインの自動車と云うのも、国産では特に珍しいのではなかろうか?
    エンジン本体は、強制空冷のカバーに覆われています。



    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_13エンジンルーム奥に搭載された黒いタンクは、ドライサンプ式のエンジンオイルタンクです。
    RX-7のロータリーエンジンもドライサンプでしたが、R360時代からマツダは採用していたようです。

    タンク下に4つ並んだホースジョイントは、オーナーさんがご自身で製作された、オイルクーラー用の配管です。
    まるで純正のように綺麗に取り付けられていました。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_14こちらは、トランスミッションに取り付けられたオイルクーラー配管。
    それにしてもケースから、上にあるキャブレターから、新車のようなコンクールコンディションでした。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_15マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_16


    さて、こちらはパンタ式ジャッキの棒が、エンジンルームに取り付けられていました。
    しかし、ジャッキ本体の方は、前述のように前のトランク内に。

    なぜでしょう?
    それの答えはバンパー下にありました。

    トランクの鍵穴の横にあるのは、「クランク棒」の差込口です。
    この棒は、ジャッキ棒兼クランク棒だったのです。アイデア商品(純正)。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_17室内を見てみましょう。
    いわゆる「ダッシュボード」はありません。まだ軽自動車には無いモデルが多かった時代です。

    メーターパネルは、スピードメーター、距離計、以上。
    空冷なので水温計いらず。燃料はガソリンタンクキャップで計りますから、これだけで良し。

    1960年代ですが、ホーンリング式ではありませんでした。そして、オートマチックなので2ペダルと云うのも、
    内装の雰囲気からすると、かなり珍しい光景です。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_18こちらは、ワイパー?ウォッシャー?スイッチと、イグニッションスイッチ。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_20マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_29こちらが、「トルクドライブ(TORQ DRIVE)」と名づけられた、オートマチックの変速機。
    ボタン付きのシフトレバーと、横になにやら副変速機のようなものがついています。運転の手引きの写真では、メインのスティックでローとハイ、リバースを切り替えるようです。横のは何?(謎)。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_21もうひとつ驚いたのが、R360クーペに後席があったことです。2シーターと思っていました。
    と、云ってもこちらは大人用ではなく、子供用のシートだそうです。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_22東洋工業時代のマツダマークが付いたホイールキャップ。
    キャロル360同様、合わせホイール式なので、社外品のアルミホイールなどは付きません。
    とても綺麗なめっきのキャップが付いていました。


    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_23マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_24マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_25


    こちらは、ドアのパーツ3種類。
    ドア内側の取っ手、ドアキャッチは、なんと!いづれもオーナーさんの文字通り手創りだそうです。
    素材から削りだしたとか。純正のキャッチは、樹脂製で割れてしまうそうです。そこで鉄を削りだして創ったそうですが、純正に見える程違和感無く仕上がって居ます。ここでまた驚きでした。
    外側のドアハンドルも含めて、めっきではなく、バフ掛けでこの輝きを保たれているそう!
    マツダ・R360クーペ(KRBC型 - 1964年式)_26【こぼれ話】
    この個体は、中兵庫クラシックカーフェスティバル2010の会場で、オーナー様にお声をかけさせて頂いて、取材させていただきました。ありがとうございました。

    R360クーペは、博物館などでも比較的見ることが出来る車種ですが、こうして実際にあちらこちらをじっくりと見せていただいたのは、今回が初めてでした。
    博物館では、マツダのお膝元、広島県福山市にある「福山時計自動車博物館」で、じっくりと見ることが出来ます。
    (上記をクリックすると博物館の公式サイトが、別画面で開きます。)

    この日は、なんと!前述のクランク棒を使って、オーナーさんがエンジンをかけて見せてくださいました。
    空冷V型2気筒の独特のエンジンサウンドが、R360のデザインとマッチして、とてもよい雰囲気でした。
    録音できなくて残念!

    わたしの中では、このR360クーペと云うクルマのイメージは、「Drスランプ」のガッちゃんが、かじって食べたシーンの印象が強くて、どうしても思い出してしまいます。

    R360クーペは、マンガでかじられるシーンが似合うぐらい、とても愛らしく魅力的な自動車なのです。


    コメント
    私は今68歳、
    今から52年前16歳で軽自動車免許を取り
    親父にねだって中古も中古の「マツダクーペ」を手に入れました。
    (確か3万円だと記憶)
    住いの横浜弘明寺から山手の外人墓地まで行くのに何度となくエンジンが
    止まり、やっとのこと目的地に着くと二度とエンジンがかからず.....

    こちらの画像を目にし、ほろ苦い思いがよみがえってきました。
    毎月のお小遣いは修理代に消えそれでもとても足りない、
    どのように工面していたのやら、それでもとても楽しかった。

    Wai #5iN0ksu2|2017/06/08(木) 02:12 [ 編集 ]
    Wai様
    はじめまして。Nostalgia-Cars Webサイト管理者 Nostalgia1970です。
    この度は、当Webサイトをご覧頂き、またコメントも頂きましてありがとうございます。

    マツダクーペ、やはり上り坂は苦手でしたか。
    幾度も大変な思いをされたようですが、それでも初めて手にした愛車と云うのは人生の中で忘れられない想い出になりますね。

    貴重な体験談、ありがとうございます。
    今後ともよろしくお願い申し上げます。

    Nostalgia-Cars Webサイト管理者 Nostalgia1970
    Nostalgia1970 #WgvW/Y1g|2017/06/08(木) 20:47 [ 編集 ]
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